Friday, September 9, 2016

Pioneer SE-700

ハイポリマー型のヘッドホンです。
コンデンサー型と同様に薄い振動膜をもっているようですが…。

デザインが最高にかっこ良いです。
こういった工業的デザインは大好きです。
数が少ない割に人気がないのかオークションで出てきても一万以下で落ちたりします。
状態が良くないものが多いからでしょうね(後述)

ハウジング外側とヘッドバンドはステンレスで作られいるようです。
素晴らしいデザインですが、ヘッドバンドとパッドが合皮製になっています。
そのため合皮が劣化しやすく例外なく外見を損ねたひどい状態になっています。
自分はヘッドバンドは合皮隠しに暫定で、ストッキング状の伸びる布を、
上から被せて目立たないようにしています。
時間があるときに本革を貼り直したいです。
この合皮さえ本革で作っていれば作りはかなり良くなったと思います。


■説明書

■音質
正直に話すと音なんかどうでもよくてデザインだけで手に入れました。
音はスピーカーで聴いているような音です。乾いた音です。
若干のかまぼこ、ほんの少しこもりもあります。
時代は感じますが解像度も悪くなく僕はなかなかの音だと思います。
ライブ音源とか聴くとかなりハマると思います。
ただし音量がめちゃくちゃ取りづらいです。
かなり高出力が必要です。アンプは必須です。
しかも半端なアンプではまともに鳴らせません。
持ってるヘッドホンの中ではピカイチで音量が取りづらいです。
あとは、アンプとの相性があります。
相性が悪いとノイズが入ったり音が安定しなくてうまくドライブできません。

パッドが硬くなってるので長時間つけてると耳が痛くなります。
パッドは両面テープで固定されてるだけなのでサイズが合えば簡単に交換できます。

ご老齢で接触が悪くなっているためかたまに左右どちらかの音が出づらくなっています。
しばらく鳴らしてると治りまが、ウォームアップ中は振動膜がポコポコなったりします。
おじいちゃんなので状態を維持するには定期的に鳴らしてあげるのが良さそうです。
僕は1989年生まれなのでヘッドホンの方がかなり年上です。

<2017/04/20>
■ジャンクSE-700の分解
ヤフオクで予備として手に入れたものが正常動作しなかったので分解してみました。
結果としては症状は改善しませんでしたが記録として残しておきます。

①ハウジングの構造と分解
このヘッドホン、分解が考えられてません。
分解するには金属製の◎状のリングを外す必要があります。
リングは外すのにコツがいります。ゴム系の接着剤で強力に接着されているからです。
無理に分解しようとするとリングが変形して二度と元に戻らなくなります。

外した状態が左図です。右図が外したリングです。
さらに対角線状にあるネジ4本を外すと振動膜にアクセスできます。
(既に2本外しています)
ゴム系の接着剤は温めると剥離しやすくなるのでドライヤーを当てる方法もあります。
ですが、ハウジングのすぐ近くに薄い振動膜があるので熱風を当てるのは自己責任で。
右図に一緒に写ってるメッシュ部分は外さなくても大丈夫です。
同じように接着剤で固定されてます。
メッシュの下には紙っぽい繊維状のフィルターが入っています。

②振動膜
振動膜へアクセスします。
ネジを外してカバーを取るとすぐに振動膜が現れます。
振動膜の上にスポンジが張り付いています。
厳密な接着はされていないようでゆっくり引っ張ると剥がれます。

振動膜への配線ははんだ付けされていません。
下に見えるネジ二本で固定されているだけです。
薄い振動膜は熱に弱いのでこの部分ははんだ付けが使えなかったのでしょうね。
構造上経年で接触が悪くなると思います。振動膜も少したるんでます。
ここの接触が調子が悪い原因かと思いましたが磨き直しても改善しませんでした。
振動膜内部で劣化が進んでいるようです。

③パッドの取り外し
続いてパッドです。パッドは両面テープで固定されています。
この時代のヘッドホンは両面テープで固定されたものが多いです。

パッドを外した状態がこちら、パッド側はなにもないので分解時に弄る必要はありません。
耳に当たるであろう金属のプレートが錆びています。
蒸れて湿気やすい上に、汗に含まれる塩分で錆びやすいのでしょう。
パッドは加水分解して表皮が剥がれています。
表皮の下の布は結構しっかりしていますがクッション性はだいぶ失われています。
繊維の色は紫がかった紺色です。

③ヘッドバンドの表皮
ヘッドバンドの表皮も経年でかなり劣化しています。
この機種の弱点で、人気がない理由とも思われます。

器用な人は張り替えると良いです。
Head-Fiでも張り替えてる人が居ます。
自分も張り替えたいのですが、なかなかやる気が起きません。

これ以上は分解するともとに戻らないので、ここまでになります。
参考にでもなれば…ではまた。



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